二世帯住宅と耐震

注文住宅を新築で建てる方の中には、二世帯住宅を想定している方もいるかもしれません。二世帯住宅では、2階建て、3階建てが基本かと思われます。そのため耐震においては様々な点で注意が必要です。

2階建て、3階建ては、平屋住宅に比べると耐震性が低くなると言われています。これは1階に上階分の負担がかかるため、また住宅全体の重量が増すためです。いくら新築と言えども、時間の経過と共に建物の劣化は発生してしまいます。そうなるとますます耐震性は低くなることが考えられるので、そうしたことを見越したうえでの対策をとることが求められます。まずは耐震や制震、免震などの地震に対しての備えを住宅に採用しておくことです。せっかく新築で、しかも注文住宅で建てるのですから、後で導入するよりもこの時に導入しておいた方が安心ですし、手間もその時限りもので済みます。
住宅の地震に対する備えは、現在では非常に技術的にも高いものがいくつもあります。ですから、予算的に無理のないものを採用しておくと、耐震性を高くすることができます。ただそれで安心してしまってはいけません。
建物内の被害の発生を防ぐためには、家具の転倒を防ぐための対策をとることも重要なことです。二世帯住宅の場合、高齢の方と幼い年齢の子供が生活を共にすることが多いと考えられます。地震が発生した場合、このような方は咄嗟に逃げたり、身を守ったりする行動をとることが難しい場合も多いです。ですから、そうした方たちが安心して逃げたり、身を守ったりすることができるような工夫をとっておくことも望ましいです。住宅の耐震性にプラスして、こうした住宅内部の対策も講じておくことで、より安全性は高くなると言うことができます。
耐震性からは少し離れるかもしれませんが、ライフラインが寸断された時のことを考え、食料品や水などを備蓄しておくことも必要です。二世帯住宅の場合、住人の数も多いわけですから、備蓄の必要性は単独世帯に比べるとより高いものがあると考えられます。
そして住宅の耐震性に話を戻すと、地盤選びも重要です。地震の揺れを少しでも小さくしたいのであれば、やはり硬い地盤を選ぶに越したことはありません。硬い地盤とは、土中の水分含有量が少ない土地が挙げられます。ですから川や海からは距離がある土地、また埋立ではない土地を選ぶのが良いです。水分を多く含んでいる土地はまた、地震の揺れによって水分が土地表面にしみだし、地面が液体状になってしまう液状化の被害が発生する可能性もあります。よってそれを防ぐ意味でも、硬い土地を選択することは重要です。