住宅ローンの繰り上げ返済

注文住宅を新築したときに、銀行などの金融機関からの住宅ローンを利用することがあります。こうした住宅ローンというのは、25年や35年といった長期にわたって返済をし続けなければならないものですが、固定的な毎月の返済とは別にして、借り入れた金額の一部または全額を、当初の期間よりも前倒しで返済をすることができる、いわゆる繰り上げ返済の制度が認められています。この繰り上げ返済については、一般的な一部繰り上げ返済の場合には、ふたつの種類がありますので、どちらを選択するのかをあらかじめ決めておかなければなりません。
最終返済期限繰り上げタイプのほうは、毎月の返済額は変えることなく、返済期間を短縮する方式を指しています。もう片方の返済額再計算タイプにくらべると、トータルとして支払うことになる利息分の金額が少なくなり、金銭的なメリットとしては大きなものがあります。ただし、このタイプをいったん選択した場合には、毎月の返済額が家計の負担になってしまったために返済期間を延ばしたいと途中で考えたとしても、そのことは認められないというシビアなところがあります。
いっぽうの返済額再計算タイプのほうは、返済期間は変えずに、月々の返済額のほうを減らすという方式を指しています。このタイプを選択した場合には、最終返済期限繰り上げタイプにくらべて、毎月の返済による負担を少なくすることができるため、将来の突然の出費に対してあわてることがないというメリットがあります。そのかわりとして、最終返済期限繰り上げタイプのほうよりも、若干返済額が多くなってしまうというデメリットもあります。
これらのタイプのメリットとデメリットを比較するには、注文住宅の新築の際と同様に、銀行のローン相談窓口なとで、返済金額や返済期間についてのシミュレーションをしてもらうのがよいといえます。一部の金融機関では、かんたんな条件を入力するだけで、インターネットを通じてこのようなシミュレーションができるしくみを導入していますので、試みにトライしてみるというのもよいでしょう。
また、住宅ローンを軽減するしくみとしては、この繰り上げ返済にかぎらず、たとえば、固定金利、変動金利といった金利タイプを変更するなどの、別の手段もあるものです。繰り上げ返済だけにこだわるのではなく、こうした別の手段についても検討を加えた上で、もっとも適当なものを選ぶのがよいといえます。